私の心からこぼれ落ちる
痛みと涙を覆うかさぶた
それがヘッドホン
もうこれ以上こぼさないように
ふたをして 音楽という薬を流し入れる
それはゆっくりと
私の胸に染み込んでいって
全身に行き渡る
そして同時に
感情が溢れ出す
こうすれば
渇くことは無い し
満たされることもない
いつか
このかさぶたを
剥がしてくれる人がいたとしたら
とめどない 感情の氾濫に戸惑いつつも
私は一生その人について行くと思う
きっと 私を変えてくれる人だから
空っぽになるまで
自分を垂れ流して
この目で 世界を
きちんと見つめるんだ
ヘッドホンなんかで 目を逸らさずに。