夢から醒めてしまった気がする。
恥ずかしげも無く、私のかつてと同じ夢を嬉しそうに語る少女を見たとき。
昔好きだった曲を、感情を込めて大切に奏でようとしたとき。
昔の自分やそれが立てた壮大な夢を思い出して、虚しくなる。
心が麻痺しかけて、夢から現実に醒めてしまった。
あのとき、あれほど「夢を夢で終わらせない」
と意気込んでいた私はどこに行っちゃったんだろう。
気付けばもう23歳にもなって、好きでもない目の前のことに必死に毎日を捧げて、心をすりへらす日々。
今を変える勇気がない。
そして、勇気がないまま夢を失いそうになってる。
私の夢ってそんなもんだったのか。
最近、どこを見ても焦る。
テレビやSNSを見れば、才能を持った若い人が活躍していて、身近な友人や同期を見れば、好きな仕事を手に勤しんでいる。
私はどちらにもなりきれない。
前者になるには遅すぎた。
努力も自身も覚悟もなく、なれるわけないから。
後者になるには愛が強すぎた。
友人たちの生き方を否定してるわけではないのが大前提だが
私は好きなことを中途半端に仕事で終えられる自信が無い。
まず、好きなことを嫌いになりたくない。
それに、どうせなら会社の構造なぞに囚われないような、とびっきり好きなことをしていたいと思ってしまう。
大口叩く割に全く出来ていないのだけど。
そんなこんなで、置かれた場所で瑞々しさを失いながら、仕方なく咲いている花が私。
今にも忘れてしまいそうな懐かしい夢をぼんやり浮かべながら、頭を垂れた悲しげな花。