今でも、夢に見る友達がいる。
何が正解だったのかなんてわからないけど、きっともう会えない。
全部まぼろしで、嘘で、思い出まで消えてしまったみたいだった。
彼女にとって、私達はそんなふうに淘汰されるべき存在だったということが、ただ悲しかった。
そして、皆素振りを見せないだけかもしれないけど、あたかも最初からいなかったかのようになってしまっているのが、辛い。
私には勇気がない。忘れることも出来なければ、正面から嫌われることもできなかった。
今でも、都合のいい夢を見てしまう。これは何かの間違いで、本当はずっと事情があって会えなかっただけだと。またどこかで分かり合えるはずだと。
きっと、もうそんな日は来ない。
彼女は自分の決断で、私達と思い出を捨てたんだ。
わかってはいても、全部消えてしまうのが悲しくて悲しくて、どうしても諦められない。
せめて、嫌いだと目の前で言って欲しかった。嫌われることさえ叶わなかった。
私は本当に、それだけの存在だったんだろう。
彼女にとっての思い出が幻影でも、私にとっての思い出は本物だ。それは変わらない。
だから、せめて忘れずにしまっておこうと思う。
辛くて虚しい偽物の思い出になる前に。
楽しくて輝いてた記憶のままで。