日生ノ木日

私の全て。これは私がこの世に存在した証。

待ち時間

「いつでも待ってる」

待てないことなんかわかりきってる癖に、格好つけてそう返した。変に急かして、子供っぽいとか我儘だとか、そんなふうに思われたくなくて。たった一つの返事だけで、本当にずっと待てるような気がするほど、あまりにも嬉しくて。

でもやっぱり、耐えきれない。言葉と行動が矛盾する不安定な関係に。いくつもの事実が示す現実に。だってこれじゃ、自分から都合がいい女になりにいってるようなものだから。

もう待たない。毎日そう思うのに、私の頭は勝手に記憶の引き出しから思い出の断片を引っ張り出してきて、余計に忘れられなくなってしまう。やめようとすればするほど、やめられないことしか分からない。自分がものすごく惨めだ。期待だけさせられて、私はどうして1人で舞い上がったり落ち込んだりしてるんだろう。いっそ最初から期待なんてしなければ、もっと楽に全て終わらせられたのに。前に進めたのに。

私は、もう待ちたくない。

キープにも、都合のいい女にも、なりたくはない。

私が私らしく自由に生きるために、大切な人と別れる決意だって出来たんだ。忘れる決意だって、きっとできるはず。