日生ノ木日

私の全て。これは私がこの世に存在した証。

夜を描く

寂しさと 苦しさと 辛さを 形にしたい。

喉の奥の胸の上のあたりがぎゅっとなるような

息の篭もる辛さを言葉にしたい。

幸せになりたいと思うのに、

私はその幸福を誰かに伝えることはできない。

そんなのは烏滸がましい。

噛み締めて独り占めしたい。

けど、辛さは書き留めたい。

誰かと分け合おうなんて、そんな贅沢は言わない。

ただ思いを残して、誰かに知って欲しいと思う。

私の見る世界を。

 

明るい昼には生きられない。

誰かの視線が、感情が、

他人の心の声が怖いから。

普通に生きられる人間が眩しすぎるから。

だから、暗い夜にしか居場所がない。

私は夜に閉じ込められてる。

夜は私を悲しみと苦しみで塗り潰す。

そのかわり、ひとさじの安心と心地良さをくれる。

今日も一人それを掬う。

 

明るい夜は嫌い。

もっと漆黒で埋めつくして欲しい。

生ぬるい風の慰めもいらない。

もっと冷たい風で指先まで冷やして欲しい。

冷え切った風で、頭を空っぽにしたい。

何も考えられなくなりたい。

 

夜で心を塗り込めて、

今日も私は、私の夜をスケッチする。

きっと、これからもずっと夜だけ。