失うのが怖いと思う。
今までの居場所。思い出。
そこで出会った全ての人達。
そこで得た全ての知識。
得られたはずのものを得られないのが怖いから、
未来を諦められない。
得たはずのものを失うのが怖いから、
過去を捨てられない。
後ろを気にして落としてないか、先を見て拾い忘れがないか、確かめながら進んでる。
私は全部欲しい。全部忘れたくない。
けど、それは不可能だって知ってる。
今までだって、大事な居場所、思い出に背を向けて、振り切って捨ててきた。
でも時々、捨てたはずの居場所とか思い出・知識が恋しくなる。
ううん、「恋しい」だとかそんな素敵な言葉じゃない。
自分の中に存在しなくなってしまうことが、ふとした時に突然怖くなる。
不安と恐怖だ。
同時に、思い出も記憶も居場所も、私だけが惜しんでいる気がして、たまに悔しくなる。
他人の頭の中は覗けないから、実際のところはわからない。
けど、なぜか私だけが強く執着している気がして、割り切れなくて寂しい。
出会いや別れを繰り返す度に、いつもそう思う。
私を置いていかないで、って。